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最近の読書(田中慎弥、柴崎友香)

最近、田中慎弥さんをyoutubeで見かけるようになり、正直に話そうとする姿勢が素敵で、そういえば読んだことないと思い「共喰い」を図書館で借りて読んだ。


そのタイトルと内容が強烈らしいことだけは知っていたけど、短編ということは読み終えるまで分からなかった(本の厚み分の長さと思いきや、もうひと作品納められていた)。

内容はやはり悍ましいけど、淡々とした描写で、急にキラッと光る無意識の塊のような描写があったりで気が抜けないんだけど、文章そのものは比較的読みやすい。


読みやすいけど余白がある。描写されなかった感情とかストーリーの余白とか。

あと、「音」の描写が決して説明的ではないんだけど印象的で、音がリアルに振動を持って耳の奥に届く感じが他の作家であまりなかったなと。そして本だとより耳に残る。

そんな五感を刺激する無作為(自然)が張り巡らされていることもあってか、次第に身体が浄化されていくような不思議な作品。


もう一つの短編「第三記層の魚」を読むと、共喰いで浄化される感覚の謎が少し分かるような美しい作品。少年の気持ちをこんな風に書けるのが凄いと思う。何度も読み返したくなる作品。


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柴﨑友香さんの「春の庭」はチャットGPTに田中さん評を伝え、短編の現代作家で探していたところおすすめされた作品で、これも面白かった。田中慎弥とは違う作風だが、そうとも言えないのかも。とにかく現代の作家を読んでいこう、という今このタイミング。


腐女子って最近聞かないけど、それともまた違う、でもそんな感じ?いや、違うな、とにかく謎の女性と出会う男性の話で、いや男性だけの話でもないのか。

主人公の男性のキャラが私の周りにいそうでいない男性であり、新鮮。これを女性が書いた男性像だみたいに言う人がいるのか知らんけど、そもそも自分の知ってる男性キャラって限られていてまだ出会っていないタイプがいるのかも、いるのだろう。

そして、女性の描かれ方も新鮮で一見分かりやすいキャラのようでいて、分からせてもらえない。その境界を巧みに操作されていて、どちらにも行けず境界上に立たされているような感覚。まぁ、あきらめてそこでまったり腰掛けるしかないか、と気づかせてくれる作品。


どちらもまた別の機会にもう一度読んでみたいし、別の作品も読んでみようと思う。



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