遠い親戚
- Hamu Isen
- 9月3日
- 読了時間: 1分
子供の頃、国内のあちこちに親戚がいるように世界中にも親戚がいて、彼らに会いに世界中を旅できるだろう、と勝手な辻褄をあわせていた。
限りある人生ならば、そのくらいのことは保証されているはずだと。
しかし、実際には海外に親戚なんて一人もいないことを知り、少しばかりショックを受けたのを覚えている。
盲点や制約から解かれて、行先も決めず何の根拠もなく何処かに向うことができる
ーアートにはそんな不思議な時空の感覚がある。
それは「広い世界と人生の保証」を信じていた子供のころの“勝手な辻褄”と、どこか似ている。
私の知らぬところで、私の作品が見ず知らずの他人にとっての“遠い親戚”のような存在になっていたら面白い。


